クライミングからBCスキーまで、この地球にある山と自然を全力で楽しもうとする、とある人間の軌跡。

2018年12月3日

はじめての投稿。故新井裕己氏について

event_note12月 03, 2018 editBy W.Ikeda forumNo comments


ブログなんて自分はしないと思っていた。

山の記録だけを公表するのであればFacebookTwitterで十分かもしれない。
今はヤマレコなど便利な山の記録専用のサイトもあるし。
なぜ敢えてブログという手段を取るのか今まで解らなかった。

でも、山を中1から始めて今年で10年目。今までいろいろな場所で本当に様々な人々と会い、多様な山の世界を知ると、これほどまでに奥の深い世界はないと思うほどになってきた。ふと気づけばこの世界にどっぷりと浸かっている自分がいる。
今まで有名なクライマー・スキーヤーの方々の記録や本を読んで「すげぇ~」とか言ったり、遭難や事故のニュースを見てただ「そーなんだー」とか思っていただけだったけど、次第に自分の意見を表明する場が欲しくなった。
山というものの本質はどこを登ったとか、どこからどこまで何時間かかったかとかそういう表面的な記録ではなく、むしろそれよりもっと奥の深いどこかにあると思う。
そしてその表現に至るまでの思想にこそ本質が潜んでいる気がしてならない。だからこそ「考えの記録」の場としてこのようなブログという形をとることにした。

もしかしたら、このブログは多くの人に自分の「考え」を届けたいからではなくて、むしろ自分自身のために作ったと言ってもいいかもしれない。(そしてあわよくば、この思いに共感してくれる少数の方々のためになればいいと思う。)



自分はあまり登山界の歴史だったり有名なクライマーに関して詳しい方ではない。それでも故新井裕己さんの鮮烈な思想と業績はしっかりと頭の中に残っている。

新井裕己さんは自分の所属する東大スキー山岳部にかつて在籍していた大先輩で奇しくも夏にやらせてもらっている富士山ガイドのお仕事の大先輩でもあった。
彼は実験室主義(Laboratorism)を唱え、登山技術や登山用具、強いては人体そのものに関してその原理や言論に立ち返って見直し、時には奇抜ともとられかねない斬新な行動を起こしたりもした。
残念ながら2008年に五竜岳で帰らぬ人となってしまい、直接お会いすることは一度もなかったのだが。

氏の行ったことや記録に関しては賛否両論分かれるところもあるであろう。
それでも、山ヤであると同時に科学を学ぶ者のとして氏の残した業績を見ると本当に身が引き締まる思いをする。

常に批判的に物事を考え、盲目的に信じられている山の常識を疑い、原理を調べ考えることにより自ら改善案を考え実施する姿勢、まさに科学的思想を山に応用した完璧すぎる実践だ。
RockandSnowのハードコア人体実験室のバックナンバーを片っ端から読み直しては、彼のブログ(いまは見ることができない)をインターネットアーカイブスで復元させて読みまくるここ最近。

別に新井裕己さんと全く同じようなスタイルの山をやろうと思っているわけではない。
そういった意味での憧れでこの文章を書いているわけではない。
そうじゃなくて、彼のもっと根幹的な思想、つまり科学的・批判的視点を忘れずに、常に自ら調べ考えそして行動を起こす山ヤでありたいと思う。


新井裕己氏の言葉で初めて聞いた時からずっと忘れられない一言がある。

「多くの人に名前を知られるよりも、少人数でいいから強烈な印象を残したい」

自分もそんな人間になれたらいいな。



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