クライミングからBCスキーまで、この地球にある山と自然を全力で楽しもうとする、とある人間の軌跡。

2020年9月20日

クライミングのメンタルについて

event_note9月 20, 2020 editBy W.Ikeda forumNo comments


突然ですが、「クライミングにメンタルが重要である」ということは多く知られているものの、じゃあ「具体的にどんなメンタリティー必要なのか?」と聞かれると、なかなか難しいと思います。


常にポジティブでいればいいとか、集中すればいいとかそういう単純なことにはどうも思えない(そして、そもそもそう言われて出来たら苦労しない)のです。


でも少なくとも、自分はクライミングでのメンタル管理が苦手だということは自覚していて、じゃあどうすればいいのだろうか?というのが最近自分が強く感じる課題です。


定評のあるクライミングの技術書、トレーニング本を読んでも、正直メンタルに関してはあまり具体的でしっくりくる内容が書かれていない...


いろいろクライミングの本はあるものの、
メンタルについて具体的に書かれているものは少ない



こう悩んでいた時にたまたま青鬼のチッペさんの記事(この投稿)とそこで引用されているBDの記事(リンクはこちら)を読んで、いろいろと面白かったので、少し書きたいと思います


チッペさんの記事内で紹介されているのは、BDの本国サイトに掲載されている Hazel Findlay が書いたメンタルトレーニングについての記事(リンクはこちら)。


この記事では具体的なクライミングのメンタリティーについて書かれていたのですが、とても具体的でわかりやすい。


なおかつ自分の反省点が盛りだくさんだったので、備忘録を兼ねていくつか自分に響いたポイントを以下にまとめておきます。

(ぜひ原文もお読みください!)







(1)End-based / Fear-based Motivation

この記事の第一項目 (1 Step One : Ask Yourself Why)にあるFear-based / End-based のモチベーションについて。

あるルートを登るときのモチベーションとして

・完登だけが目的

・グレードを追う

・「こんだけ努力してきたんだから登れないなんておかしい」

などといったモチベーションはいい影響をもたらさないということ。


特にこのようなモチベーションを持っているかどうか判断する材料として、フォールした時のクライマーのリアクションがあるとHazelは指摘しています。

つまりフォールして叫んで悔しがって不機嫌になっていたら、それはネガティブなモチベーションを持っているという証拠だと。(自分はまさにこれだった)


そうではなく、Process-based (過程重視) のクライミングこそ、成長するし学習できる

そして失敗の過程も楽しめるということ。



(2)Help Yourself

ずっと登れないプロジェクトに集中しすぎると、ときどきクライミングのモチベーションが切れかかってしまうことがある。

そういったときに、ポジティブなモチベーションを保つためにも簡単な課題や楽しい課題を定期的にやることで、クライミングが嫌にならないように自分のメンタルを管理する。



(4)"Bad" Days Are Still Good Days

上の項目の延長でもあるけど、うまくいかなかった日でもそれは無駄ではなく成功までに必要なプロセスだったと思うこと。


(5)Pressure is Your Friend

プレッシャーは必ずしも悪いものではない。

特にトライでプレッシャーを感じるときは基本的に、自身が「できる」と思えていることの証なので、ポジティブに考える。

登れるかどうかが予めわかっていれば、クライミングなんて面白くない。成功するも失敗するもクライミングの楽しさと考える。


(8)Focus is Everything

Focus(集中)が一番大事。

トライ中はとにかく目の前のことだけに集中する。他のことを考えないように。

そして感覚を研ぎ澄ます。


ただ長いルートだと登る時間が長いので、ずっと集中していることは難しい。

その時はレスト中などに雑念が入ることもあるけど、レスト中と登るときでスイッチのオンオフの切り替えを意識して、登りに入ったらまた集中モードになること。


(9)No Excuses

Excuses(言い訳)をしない。

岩のコンディションや体調、環境などすべての条件が完璧になることはない。

これを言い換えれば、どんな時でも何かしら言い訳ができてしまう

だからこそ、不利な点に気が持ってかれないくらいに集中する


(11)Don't Compare Yourselves to Others

他者と比べることをしない。

比べてもいいことなんてないし、余計モチベーションを削ぐとともに、よくないメンタルを生むだけ。



以上簡単に自分に響いた内容をかいつまんでまとめてみました。


思えば自分はこの1年くらいEnd-Based / Fear-Based なモチベーションでクライミングをしてきて、クライミングすることがつらい時もたくさんあったし、他人と比べてしまってどうしようもない思いをしたことも数えきれないくらいあった。


登っているときに雑念が入りすぎて、核心前なのに終了点のことを考えるときも多いし、落ちた時に悔しくて嫌になる時もとても多い。


だからこそこの記事の内容はとても具体的でわかりやすく、そして反省させられる点がありました。


実際この記事を読んで意識してメンタルを変えていこうと思ってから、最近天王岩と御前岩へ行ってきました。


まだ不十分ではあるかもしれないけど、相応に集中できたし、何よりもクライミングを楽しめた。


もちろん一朝一夕に変わるものではないだろうけど、いままでどうしていいかわからず、漠然と苦手意識を持っていたメンタル面も少しは改善できる兆しが見えたかなと思えました。








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