クライミングからBCスキーまで、この地球にある山と自然を全力で楽しもうとする、とある人間の軌跡。

2020年10月6日

海賊船RP

event_note10月 06, 2020 editBy W.Ikeda forumNo comments

 

10/4-5 有笠


1年半ぶりに有笠の因縁のルートに戻ってきました。


感謝の心という12aの薄被りのルートのエクステンションのルートで、手前までそそり出るように立つ岩峰のてっぺんまで行くルート。




1年半前の6月に感謝の心をトライしていたときに、当時のパートナーが海賊船をRPしているのをビレイして、「こんなルートがあるんだ!」と圧倒され、同時に「このルートが登れるようなクライマーになりたい!」って確信したルートでもありました。


昨年の6月に感謝の心をRPして(自身2本目の12のルート)、そのままオーバーグレードなのはわかりつつも何度もトライをした海賊船。


ただ、結局実力不足でRPはできずじまいでした。


昨年の秋は雨が多かったせいか感謝の心パートからびしょ濡れでトライすらさせてもらえず、今年の春はコロナの影響もあり、気づいたら海賊船を最後に触って1年半が経っていました。



この1年間ほどは、ずっとRPグレードが12a前後から伸びず、それで焦ったり、苛立ったり、クライミングが嫌いになりそうだったり、開き直って簡単なルートばかりやったり、いろいろ回り道をした時期でした。


でもその分、花崗岩マルチやどっかぶり前傾壁、タイでの現実逃避、二子弓状、トラッド、沢の登攀などクライミングの幅を広げる時期だったかもしれません。



コロナでの自粛期間はフィンガーボードを使って今まで弱点だった保持力を強化したり、体幹トレに時間を割き、ジムが開いてからはボルダーを中心に強化してきました。


真夏の沢が終わった後、小川山の2日間でしっかり成果を残せたことからも調子は上がってきていると感じ、気温が下がってきた今週もう一度戻ってトライしてみることに。



10/4


天気予報的には日曜はあまりよくなく、雨も降る寸前の雲行き。

湿度も高い予報だったので、トライ自体は月曜に照準を定めました。


日曜は2本アップをした後に、ヌン掛けを兼ねて1年半ぶりのムーブ確認を。


感謝の心パートも気を抜くことは出来ない印象だったけど、実際やってみるとムーブはかなりすんなりラクにできて好感触。


感謝の心終了点~海賊船の舳先部分へのアプローチセクションが染み出しでびしょ濡れだったけど、そこはしょうがないと割り切って我慢。


肝心の海賊船の舳先パートは少してこずったけど、何回か試して突破。

核心かもしれないヌン掛けは終了。


思ったより好感触だったので夕方に一便を出すことにしました。


感謝の心パートは自分でもびっくりするくらい自動化されており問題なく通過。

海賊船の舳先の前の大レストで休んでから出発するものの核心でクリップできずにフォール。


実際そのあとのムーブで一カ所記憶違いがあったので、念入りに確認してその日は終わりにすることに。


翌日に疲れを残したくなかったので温泉に入ってマッサージ&ストレッチをして道の駅たけやまで就寝。


下部のフェースが感謝の心。
上部の岩峰まで行くのが海賊船。


10/5


夜半に雨の音がして少し目が覚めたり、嫌な予感が…

寒冷前線の影響で少し雨が降ったみたいで、地面が少しだけ濡れている。


そして期待していた天気の回復も遅れているよう…


嫌な予感がしつつもアドベンチャーランドへ。


すると、ここの地面は乾いており、どうやら雨が降っていなかった様子。


ただいずれにしても曇りがちで霞がかかっており、湿度は高いまま。


フェアリーはびしょびしょ。


12時くらいから一気に空気が入れ替わって天気が回復、湿度も下がる予報だったので、それまでゆっくりアップ&パートナーのビレイをすることに。


この日に3便出すのであればもっと早くから動くべきだけど、「3便出せる体力があるならもっと少ないトライで完登できるはず!」と信じ、じっくり待つ。


12時が過ぎてもう一度ハンモックに寝ころびながらムーブを3回くらい反芻。

風が吹き始めて空気が変わる気配がしたのでトライをすることに。


感謝の心を登っているときに少しだけ湿気を感じ、ペースが一瞬下がっちゃったけど、途中で落ち着きなおして通過。


感謝の心終了点以降の濡れているいやらしいパートも昨日で慣れたので落ち着いてこなし大レスト。


レストポイントから見える中之条の町は今まで立ち込めていた雲が切れ始めて、日が差し始めているところも。

確実に空気が変わってきている。


また3回ムーブを確認して、突っ込む。


核心クリップに予想以上に余力を持って達して、そのあとも昨日復習したムーブを落ち着いてこなしていく。


余力がまだ残っていたので、はやる気持ちを抑えて、呼吸を繰り返し、最後のいやらしいパート前にもシェイクを入れる。


ここまで来たらもう落ちたくない(と思う雑念すらわかず)、落ち着いてマントル。


登れてしまった。


うれしいとか、ほっとしたという感覚よりも、どちらかと言うと気持ち良かった。


こんな強度のムーブをつなげてあの被った舳先まで登れたと。


一年半前トライしていたころの写真。


思えばこのルートにはとても思い出がたくさん詰まっており、自分と関係の深い場所だった。


2年ほど前、当時のパートナーでクライミングを教えてくれた人にはじめて有笠に連れてきてもらい、自身初のイレブンが登れてしまった。

その日に同時にパートナーの感謝の心のトライをビレイした。


ついでにと誘われて感謝の心のランジを一回その時やってみたけど、その時はもちろん全く話にならなかった。


半年後感謝の心のトライを改めて初めて、結構苦労したけど登れた。


その過程で当時のパートナーの海賊船のトライをビレイさせてもらい、その登りに圧倒されてあこがれた。




クライミングに熱中し始めた時に、最初に設定した大きな目標が一つ達成できた気がする。


もちろんまだこのルートは通過点に過ぎないけど、この数年クライミングに打ち込んできた甲斐があったなと思えるルートでした。


ビレイなど付き合っていただいた皆さん、ありがとうございました。


次に岩のてっぺんから中之条の街を見るのは、ジアーチの天然記念物を登るときかな。


蛇もいた。
有笠はまだ少し暑い。


10/4

アドベンチャーランド

・宝探し(5.10c) 再

・やもめの日々(5.10d) 再

・海賊船(5.13a) ×(ヌン掛け) ×


10/5

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・しお豆(5.10a)

アドベンチャーランド

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南国エリア

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