クライミングからBCスキーまで、この地球にある山と自然を全力で楽しもうとする、とある人間の軌跡。

2021年3月28日

黒部横断(大スバリ~弥陀ヶ原)

event_note3月 28, 2021 editBy W.Ikeda forumNo comments

 

3/23-25 黒部横断(大スバリ~弥陀ヶ原)


3月末、晴天のタイミングを見計らい、ずっとやりたかった黒部横断へ行ってきました。




3/23 日向山ゲート~扇沢~針ノ木雪渓~マヤクボ沢~スバリ岳~大スバリ沢~黒部湖


早朝に信濃大町駅で合流。タクシーでゲートまで。
少しずつ雲が取れ始めていい感じの天気

ゲート。神の車もデポされていた。どうやら同じ日に入山していたらしい。

そっからもしばらく雪なし。ひたすら歩き。

扇沢着。ここからスキーを履く。

堰堤を右岸側をトラバースしながら登っていく。

針ノ木雪渓に到着。

ひたすら登る。少し新雪もあり。

場所によっては深い。

ここからマヤクボ沢

コルに出ると黒部側の展望が見事。立山から劒まで。


さらにスバリ岳基部までスキーでトラバース。


最後は少し担いで山頂まで。

山頂直下は少し急。


スバリ岳山頂からその後のラインを考える。

大スバリ沢源頭。雪が少ないのでしばらくアイゼンでクライムダウン。

針ノ木側にもいいシュートがあった。滑ってみたい。

ようやく雪のある場所まで降りてきて、そこから滑走。

上の新雪は日射面だと少しスラブ化。小さい雪崩が少し起きた。

日陰は雪がまあまあ生きてる

ツリー

スバリ岳を見ながら。

剣に向かって滑る。ただデブリであまり快適ではない。

スバリ岳の奥壁

そこにカモシカ先生が。

大スバリの滝場は左岸を高巻き。

再びデブリ地獄の沢へ合流

ただ大スバリ沢の大滝のさらに下に小さい滝が露出しており、再び巻き。

こやつめ…

少しロープを使いました。(多分なくてもいける)

小滝の巻き。ふつうこの滝は埋まってるらしい。

針ノ木は長かったけど案外すぐに登れたので、黒部って案外楽なのかな~と思っていたけど、大スバリ沢でハマって奮闘感満載。

嫌になるというよりは、このくらいハマったことを楽しんでいる自分がいてなんか不思議な感じ。


ああ…もう太陽が大分傾いている…

ハマったね…(笑)

やっとの思いで黒部湖に到着。凍った黒部湖は初見なので感激。

ただこの時期にしては大分氷が薄いらしい。

テントは迷った末に河原の氷板の上へ設営。水は大スバリ沢を使えるのでラク♪

月明かりの綺麗な夜でした

3/24 黒部湖横断~御山谷~一の越~国見岳~立山荘


翌日は朝一の黒部湖の横断からスタート

朝日に照らされる立山

とりあえず黒部湖が日に当たる前に横断をば。

大スバリ沢出会いはなかなかデンジャーな感じに仕上がっております。
一応コンテで。

大スバリ沢を振り返って

ようやく安定してきた

御山谷まで目指すも…

残念ながら御山谷の入り口は凍結しておらず、奥黒部ヒュッテぐらいの場所からは湖を歩行できず。台地に上がる必要が出てきました。

前日にスバリ岳の山頂から撮った黒部湖の写真を見て、御山谷の右岸側に取りつくことに。

最初はセラックチックな場所を登る

黒部湖をバックに。迷路みたい

このへつりは少しいやらしいけど、その後は広い台地に乗れて、スキーで御山谷まで歩行できた。

あとはがんばる。

御山谷は思ったよりも緩やかで、側壁からの雪崩にさえ気を付ければハイアバランチコンディションの時のエスケープにも使えそう。(たぶん)

ただひたすら長い。

途中で神のトレースと思われる、中ノ谷から滑りこんだ跡があった。



そしてようやく一の越。

当初は山崎カールを滑ろうかと思っていたけど、上部の雪は大分風に叩かれており、下地の硬い雪が露出。
時間の遅れもあり、今回はあきらめて素直に室堂方面へ。

ただ一回くらい楽しい滑りをしたいね~と思い、一の越下を落としてみることに。


まあ悪くない

下にある除雪ラインまで

ハイクはそのラインを再利用させてもらいます(笑)

どーん

室堂周辺はかなり雪が少ない印象。



室堂は除雪隊が入っているようで賑やか。

そして立山カルデアを見るべく、国見岳まで登り返し。

初めてまじまじと立山カルデラを見たけど、すごいですね

奥には槍も

国見の南西面を落とす

結構楽しめた。K先生、いい写真ありがとうございます。

ちょうど滑ってたら、県警ヘリがすぐ上空を旋回。
たぶん我々を観察しに来ている(笑)。

あとはトラバースあるのみ。地味に雪崩が怖い。

長大な弥陀ヶ原が見えてきた。

この時4時。やろうと思えばこの日中に下ることも可能だけど、ザクザクの雪では緩くて長大な弥陀ヶ原はスケーティング地獄になりそうな予感が満載だったので、泊まることに。

翌日の朝イチのクラスト斜面に期待。

テント場。

3/25 立山荘~美女平~立山駅

翌日は高曇り。フラットライト気味だけど、そのおかげ斜面は固く締まって板がとてもよく滑る。

要所要所で道路を横断しながら

サクサク流す

広い。

中間部は称名の崖(200m)と雪の大谷(5m)に挟まれて少し狭くなる場所もあるので要注意。
たぶんどっちに落ちても怪我(?)する笑

弥陀ヶ原の下山はかなりルーファイが難しかった。K先生が持ち合わせているメモなしではこの何倍も時間がかかったかも。

冬の称名。改めてみると少し泥っぽい。
そしてこのフリーソロは何度考えても常人の域を超えている。

花粉症患者にとっては杉林のツリーランはきつい…

カモシカに再び出会ったりしていると

材木坂は雪が完全に消失。
板が引っ掛かりまくってすごい歩きにくかったけど、最後だしがんばる。

ケーブルカーの上を通って

下界。

立山駅に着いた頃には雨がぽつぽつと。グッドタイミングでの下山でした。


3/23 日向山ゲート(6:10)~扇沢(8:00)~針ノ木雪渓~マヤクボ沢~スバリ岳(13:30)~大スバリ沢~黒部湖(17:30)

3/24 黒部湖横断(5:50)~御山谷出合(8:30)~一の越(12:00)~国見岳(14:55)~立山荘(16:10)

3/25 立山荘(5:50)~美女平(9:00)~立山駅(10:45)


初めての黒部横断でした。雪が少なくいろいろなところで手間取たり、予定通り行かなかったこともあったけど、とりあえず無事達成できてよかった。
黒部横断のベテラン、K先生の話やノウハウを聞きながらだったので勉強になることばかり。いくつか反省やメモを。

・軽量化に努めたけどもっと削れた。自分はマットを当然の如く持ってきてしまったけど、K先生はマットすら持ってきていなかった。エアマットではなく普通のマットはシートラでも邪魔になるから、結局ザックの中に入れることになるし、邪魔。せめて通常の長さの半分までには削れる。あとダウンパンツもいらない。黒部湖みたいに標高下げればあったかい。

・弥陀ヶ原や湯川谷は知らないとかなり時間を食う。事前情報やGPSログがすごい大切。

・黒部横断って東から西に向けて抜けるのがスタンダードになっているけど、雪の付き方的にはあまり合理的ではないのでは?特に南岸が少なく、冬型が強いと西側は雪が飛ばされて雪付きがよくないし、滑りにも向かない。次回は西から東に向けるルートを探ってみたいな。

・弥陀ヶ原下るとき、花粉症の人は薬を飲みましょう。花粉きつくて地獄です笑

・まだまだ体力には余裕かなりあった。次回はもっと攻めれるし、たぶんもっとできる。


まあなにがともあれ、初黒部で楽しめてよかったです。
一緒に行っていただいたお二方、ありがとうございました。


来年も黒部行こう!できたら劒も絡めたい!







0 comments:

コメントを投稿